直進、停止、旋回
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項番号5の2。 タイトルは、「直進、停止、旋回。」です。時間は約3分です。 二千十五年九月6日に更新しました。
1, 直進。
風がなく、流れもなく、左右のパワーバランスがとれていれば、ボートは、目標地点に向かって、まっすぐ進んでいけます。 レースコースでは、スタート地点のうしろにステアリングマーカーという2枚ひと組の操舵標識があります。 フィニッシュの先にも目標があります。 クルーはそれらを見通して針路を保つ手がかりにします。
しかし、横かぜが吹けば、それで流される分を含めて、あらかじめボートの向きを風上方向にふっておくことで、はじめてまっすぐに、すすむことができます。 ボートの向きと実際に進んでいく方向には、風や流れの分のずれがあるわけです。 これは、川を横断する渡しブネにもよくみられるため、フェリーグライドと呼ばれます。
2。 漕ぐルートの設定(直線やカーブで)。
水域では常に航行ルールが優先です。 基本は川の中央か、やや右寄りを進みます。 川岸の近くは浅く、障害ブツがある可能性も大きいので、できるだけ避けます。 川が曲がったところでは、死角に注意しながら、なるべく緩やかなカーブを描きます。
3。 停止。
通常は、「イージーオール!」で漕ぐのをやめ、自然の減速に任せます。 しかし緊急の場合は、「ストップロウ!」で急ブレーキをかけます。 しかしその場合も、いきなり完全にストップロウするとハラキリになるので、斜めにブレードを水面に当て、水中に沈めながらスクウェアにします。
ボートの針路を変えながら急停止したい場合は、ラダーを操作しながら、片方のサイドのストップロウを先行したり、衝突を避けてオールを引っ込めたり、シャフトを艇に平行にしたりします。
ラダーの操舵は常に、車や自転車をバックさせているのと同じ」ということに注意し、緊急ジに間違ったステアリングにならないように注意します。 例えば、クオドルプルをパドル中、ほぼゼンポウのわずか左よりに障害ブツを発見したとします。単純にラダーの右を引くだけでは艇の後部を左に振ることになり、艇の後半を衝突させるおそれがあります。艇を右にずらせるためには特にバウペアの右手をキャッチ側で強く漕ぎ、ストロークペアの左手をミドルでストップロウさせます。オールロックをどちらの方向に押すかを考えましょう。
4。 旋回。
ボートを回す動作は、基本的な三つのモード;バランス、ストップ、バックを、サイドで組み合わせて行います。 片方のロウまたはバックロウに対し、逆サイドがバランスならば大きな半径で周り、ストップロウならば小回りになります。 両ゲンが逆に漕げば、その場で旋回することになります。両ゲンでスライドはそろえて、バックロウのサイドはフォワードでブレードをスクエアにして沈めて押し、通常のドライブのときに水面を滑らせることになります。 バックロウでは、ブレードを裏返しにするテクニックもありますが、ビッグブレードでは裏返しではかえって効率が悪いか深く沈めることになり、あまり意味はありません。またスカリングでは、細かな切替に対応しにくくなります .基本的に、裏返して使う必要はほとんどないでしょう。 なお、旋回は、安全な位置とタイミングで回します。 橋や障害物の上流では旋回しないようにします。
以上で,「直進・停止・旋回」の説明を終わります。