ハラキリ、シートから落ちる、シートの脱線
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項番号5の1。 タイトルは、「ボートの特性・操舵の基本」です。時間は約4分です。
二千十五年九月五日に更新しました。
1、ボートの特性。
ボートは、陸上の乗り物とは異なる特性があります。 まず、流れの影響を受けます。 水上とはつまり、液体のうえです。当たり前のことですが、流れがあればその方向に流されます。 つぎに、風の影響を受けます。風が吹けばその方向に流されます。 特にボートの速度が遅いほど、岸を離れるとき、岸につけるとき、風の影響が大きくなります。 特によこかぜでの制御が難しくなります。
ボートには前後には動かしやすい反面、左右にシフトするのは非常に難しい特性があります。
慣性。つまり、すぐには動けないし、すぐにはとまれない。 大きな艇ほど、すぐには止まらないし、もちろんすぐには動けません。 つまり、急に危険な状態になっても、ブレーキやアクセルの効きが悪いので、すぐには回避できないのです。 危険に対し、「早めに、予防的に」回避することが大切です。
水の中にも危険がある。浅瀬、浮遊物、暗礁など,水の中にも危険があります。
逃げられない。周りは水、水、水。 非常時に、おいそれとは逃げることができません。 だからボートをいつも安全な状況に置かなければなりません。
後ろ向き、視界の制限。 漕手は後ろ向きに座るので、進行方向を確認するためには、(舵手なし艇では)漕手は頻繁に後ろを振り返って、安全を確認しなければなりません。 舵手つき艇では、フロントコックス艇では後方が、スターンコックス艇では前のほうに死角が生じることに注意しなければなりません。
2, 操舵,ステアリングのポイント。
ラダーの力学的原理を説明します。 ラダーは、スターンについています。 これは、自動車でいえばいつもバックで操作していることに等しいのです。 そこで、流れをみださない小さな角度で引き、テールを横にスライドさせる効果で、艇の方向を変えます。 舵を大きくきると、流れをみだし、大きな抵抗となり、スピードが落ちます。
直進の維持するためのラダーを引くタイミングについて。 直進の場合、舵を引く操作は、「艇が安定するストローク中に行うのが基本、と言われることもありますが、最小限で優しく引くのであれば、いつ操作しても艇のバランスを乱さずに、操舵できます。
後退つまりバックロウと、旋回つまりスピンについて。 後退する場合には、ラダーをまっすぐに保ちます。 そのためには、両方のラダーをまっすぐにして引っ張っておきます。 このように保持していないと、ラダーが逆に回り、ラダーロープがからまってしまうか、ラダーに不要な負荷をかけてしまいます。
最小限の操舵、最大限の操舵について。 練習では、ラダー操作を最小限にし、両サイドのソウリョクの不均等を是正するよう、漕手に要求することもあります。 多少の艇の曲がり、つまりサイド負けを残し、漕手に努力させます。
レースでは、確実に艇を直進させるように注意します。 ラダー操作が損失になるのは当然ですが、だからといって操作が後手にまわると、艇が余計に曲がり、結局はより大きな労力と損失を払わなければならなくなります。 操舵は、早いタイミングで、ゆっくりした角速度で、最小限の角度で引くことが重要です。
以上で,「艇の特性と操舵の基本」の説明を終わります。