ボートが進む原理

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項番号4の1。 タイトルは「ボートが進む原理」です。 時間は約4分,音声ファイルのサイズは約7メガバイトです。
1. ロウイング推進の力学的原理.
ボートは、抵抗の大きな、オールのブレードを、水を足がかりにして後ろに押し、その反作用で、抵抗の小さな船体が前方へ大きく進みます。 ブレードを支点とし、ハンドルを引くことで、オールロックをつまりはボートを、進行方向に押しているといえます。
ただし、ブレードはオールロックを中心として回転運動をしているので押す方向が変わります。 ボートの前進のために有効なのは、バウ方向に押す成分だけです。 横方向に押す成分は、ボートを傾けたり進路を曲げたりする力になります。 しかしその力は、左右のオールが対称的に動くことでソウサイされます。 スカルではほぼ適切に解消されますが、スイプでは前後にずれているために、結果的にバウサイドのほうが強い傾向になります。 このため、スイプ艇では、サイドのポジションの配列を工夫して、左右のパワーバランスを調整することもあります。

2、 艇の揺れのむっつの成分.
艇が揺れることは、そこに余分なエネルギーを費やしていることを意味します。 また揺れのために漕ぎにくくなるので、遅くなる大きな原因になります。 速く進むためには、揺れをできるだけ抑えなければなりません。 揺れにはムッツの成分があります。

その1.ピッチング. ピッチングは、艇首が上がるときに艇尾が下がる、またはその逆の回転運動です。 漕手の体重やオールの前後移動、上下運動などで発生します。 シングルスカルなどの小さな艇で大きくなり、強く影響します。
その2.ローリング. 横揺れで、バランスが良いとか悪いとかいうときのバランスは、このローリングの問題を言います。 漕ぎにくさも起こすので、これも重要です。
その3.ヨーイング. へんよう,ともいいます. ヘンは片寄り,ヨウはユレという字を書きます. 艇の進む方向のブレのことです。スイプ艇でバウサイドが前よりに配置される非対称性や、左右ブレードの不一致などで発生します。 なしペアでは必然的に発生しますが、スカルやエイトではなくせます。
その4.サージング. 前後ヨウともいいます. 艇速変動、つまり艇の前後方向の揺れです。 体重の前後移動やロウイング動作の間欠的な推進行動により必然的に発生します。 小艇ほど大きくエイトで小さいです。 非常に大きな減速要因で、とても重要です。 ロウイングテクニックが向上すれば、艇速変動も少なくなります。
その5.ヒービング. ジョウゲヨウともいいます. 艇の上下運動。つまり全体の浮き沈みです。 漕手の体重やオールの上下動、ブレードの水からの出し入れ、艇速の変動などに伴って発生します。 熟達すれば、上下動の少ない動作をすることで、かなり抑えられます。
その6.スウェイング. 左右ヨウともいいます. 艇の左右方向のずれ。 ロウイングでは、静水ではほとんど無視してかまわないでしょう。 
以上の中で、特に、ローリングをなくす、艇速変動をできるだけ減らす、ピッチングとヒービングを減らす、といったことが、すべてのボートで大切です。 そして、なしペアでは、特にヨーイングを減らすことも重要です。

以上で,「ボートの推進原理」の説明を終わります。