ブレード深さの最適化
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項番号3の8。 タイトルは「ブレード深さの最適化」です。 時間は約4分、ファイルサイズは約七メガバイトです。
視覚による観察が難しい場合も、漕ぎの状態をレポートしてくれる助けをつけて、理屈もよく理解して、ブレードの深さの感触をつかんでいくようにしましょう。
1。 ブレードの深さの意味。
ブレードの深さは、ボートを無駄なく速く走らせるために,とても重要です。 良い深さは、「ブレード一枚」と表現されます。 これは、「ブレードが水面には出ないけれど、ドライブ中に水面がわずかに盛り上がって見える深さ」です。 また、「シャフトが沈んでいない状態」ともいえます。
高速で漕いでいるとき、シャフトの部分は水没すると大きなブレーキとなります。 しかし、スタートでの1、2本目の、まだスピードが出ていない状態では、シャフトも推進力として働きます。 シャフトがブレーキになっているか、推進力として働いているかは、シャフト部分の流れを観察するとわかります。
2。 ブレードの深さの制御。
ブレード深さのコントロールは、動作の熟練だけでなく、ブレードピッチとワーク高が重要です。 単純に言えばブレードの深さは、ブレードピッチが大きいと浅くなり、小さいと深くなります。 ワーク高が高いと浅くなり、低いと深くなります。 ハンドルを高く引くと深くなり、低いと浅くなります。 ただし、両サイドで高さが違うと、傾きます。 漕ぎながら、これらの要素をよく感じ取って、動作やリギングを調整していって、良い引きの高さとブレードの深さを実現しましょう。
3。 ブレードピッチの調整。
ワーク高を適切に設定した後、ブレードピッチを最適化します。 左右の舷の浮き沈みの違い、キャッチからフィニッシュまでのブレードの深さの変化などから、技術、ワーク高、ピッチの中でどれがどのように効いているかを探り当てなければなりません。 最初は試行錯誤になりますが、経験を積めば簡単に解るようになります。
注意することは、ある漕手の技術やブレードピッチが良くても、逆サイドのピッチや技術が悪いために、ブレードの深さが不適当になる場合があることです。 また、特にファイナルでは、ブレードの押しが緩んで水に押されてしまえば、ブレードピッチが大きいほど沈みやすく、抜けにくくなる、といったことです。
一般的なブレードで、剛性の充分なリガーで、静水を漕ぐのであれば、ブレードピッチは、キャッチ6度,ミドル5度、フィニッシュ4点5度あたりを初期値としましょう。 リガーの剛性が低い場合は、特にキャッチ側で、これより少し大きくします。
4。 補足:リギングは数字でなく「まず観察」。
リギングはただしく正確に計測して調整していきますが、適切な数値が固定的にあるわけではありません。 最初は、設定する要素を一つずつ、頻繁に変えながら、どのように設定するとどのような漕ぎになるか?ということを実験し、体で覚えていくことが大切です。 大きな調整幅ではっきりした変化を確認し、しだいに精密に最適値へ持っていきましょう。
以上で、「ブレード深さの最適化」の説明を終わります.