新しい水域でローイングを始めるためにOZAWA ROWING update: 2018-01-05 「はじめまして。***町に住む***といいます。兄が***で漕艇部にいました。兄の話でボートに興味を持っているのですが、社会人になりなかなかボートを始めるきっかけがないままですが、HPを見て再度「ボートを始めるには」と思っています。***町は***湖のある町でボートをするには恵まれているのですが、町にボート協会はなく、近くでは***湖まで1時間掛かります。何歳になっても、自分のために出来るスポーツだと思うのですが、とっつきにくいのも事実です。始めるにはどういったことをクリアする必要があるか?(経済的な面、安全確保の面…)教えていただけたらと思っています。」 こんなお便りがとどきました.ボートをはじめたいと思っている多く(?)の人のための,最初の関門をクリアするための助言となれば,と思い以下を書きました.もちろんすでにローイング活動のある水域であれば,その水域のRCに声をかけてみれば良いでしょうし,経験者であればそれなりになんとかやってみるということもできそうです.が,この方のように,漕ぎたい場所(漕げそうな場所)が身近にあるがそこではボートをやっていない,自分は初心者,そういうケースでは「ちょっと無理だ」となりそうですが,課題をひとつずつ丁寧にクリアすれば,漕ぎたい気持ちさえ強ければなんとかなると思います.初心者が新しくボートを漕ぎはじめるために考えておきたいことをまとめてみました. さきに結論を整理すれば,
1 水域の確認:安全に漕げるか?漕いで良い場所か? 目星をつけた水域が,漕いで良い場所か?安全に漕げる場所か?を確認しましょう.原則的に,私有地でないところの川や湖,海は公共水域,つまりみんなのものなので,個人が独占的に占有したり,環境を破壊するような使い方でなければ自由に通過したりローイングを楽しめるはずだと思います.しかしいくつかの理由,例えば公共事業での占有,自然環境の保護,観光(景観保全),水上交通(航路またはそれに順ずるもの),漁業,安全(危険水域)などのために,立ち入りやボート漕ぎが制限されているケースもあるので,誰も漕いでいないようなところでは,そのような制限がないかを確認しておくべきでしょう.看板などをチェックします.ボートを漕いでいなくても,すでにカヌーなどが楽しんでいて問題となっていない水域であれば,この条件はおそらくクリアできるでしょう.ただしその水域の開拓?に先人の努力があったかもしれません.先にカヌーなどが活動しているのであれば,その経緯についても留意しておきましょう. 漕いでかまわない水域だとしても,安全に自分が漕げるかどうかはよく確認する必要があります.たとえばカヌーで安全でもボートでは要注意ということもあります.カヌーとボートの違いは,ボートが後ろ向きであること,オールの漕ぐ幅が必要であること,スピードが速いこと,波に対する弱さ(もっとも,オープンデッキカヌーと安全な機構を備えたシングルスカルでは,シングルスカルのほうが安全であるケースもあります)などです.気象条件,水温,流れ,危険な暗礁などにも注意すべきでしょう.そのなかで,自分の技量の範囲で,安全に漕げる条件の中で漕ぐようにします.あるいは,漕ぐ場所と条件を選びましょう.といっても初心者では何をどう判断するかは難しいところです.そこで…
2 同じようにそこで漕ぎたがっている人や経験者が身近にいないか探す
3 手続き:ボート協会への登録?・ローイングクラブへの入会? まずは相談を
4 安全の技術を身につける=良いコーチをみつける なお,スポーツ安全保険や漕艇保険などへの加入もぜひ検討すべきですが,ここでもボート協会やクラブに所属することのメリットが生まれるので,近くのRCに所属させてもらって,そういう手続きをきちんとし,すこし安全に漕げるまで少し離れたところまで通い,安全に漕げるようになったらいよいよ目的の水域で,というところでしょうか.
5 安全への自己責任の心構えと,事故の場合の迷惑をわきまえておく
6 どのくらいお金がかかるか?
7 艇を保管する場所の確保 新しいことにチャレンジするにはもちろんリスクはつきものです.自然の中で行うスポーツではそのリスクの中に,自己の安全に関するリスクも留意すべき重要さで存在することを認識しなければなりません.しかし,リスクを恐れて諦めるとすれば,そこから得るのは,「とりあえずの」安全と退屈さだけでしょう.リスクをわきまえ,一つずつをクリアし,確実な安全の能力と実践,そして大きな充足を得ていくことがすばらしいことだと思います.がんばってください. EOF |