シャープ・ターン Sharp (blade square) turn

EncycROWpedia OZAWA ROWING
ロウイング動作のうち,キャッチ直前にブレードをフェザー状態からスクウェア状態に回転させる動作技術のこと.
その目的は,フォワード中のブレードの空気抵抗を最小限に押さえたいことにある.
空気抵抗の軽減の観点では,シャープ・ターンは効果的である.これに対して,フォワード中にブレードを徐々にスクウェアに戻す場合には,風にあおられてフライアップしやすいリスクがあるが,それもシャープ・ターンでは抑制できる.
しかしそれでも,シャープ・ターンを,あまり推奨しない. その理由は,強く素早い回転動作は,それだけ大きなエネルギーが必要であることや,キャッチの素早くコンパクトな作業をした局面に,ターンのすばやい動作を組み込むことが,技術的な複雑さを生むからである.
スクウェア・ターンは,ミドルを過ぎてから,「適当なところで」両舷&クルーそろえて,落ち着いて行うことが良いと考える. そのタイミングについては,従来の(重い)オールの時代には,フォワードの進行速度の減速や,艇自体の減速によって,オールのスリーブがオールロックに押し付けられるのに合わせて回転のきっかけを作れば,オールのほうで回転してくれるので,エネルギー消費が抑制できたので,そのタイミングを推奨していた(つまり,キャッチの直前ではないが,それに近い,フォワード終盤).
タイミング的にはそれで良いが,ただ,現在のカーボンシャフトオールは,オール自体の質量がかなり軽くなっているので,その「押し付け-自動回転」の効果は少なくなった.
(20240403)
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