8-02 レース

トップページに戻る 目次に戻る
第八章、第二項。タイトルは、レースの基本展開とマナー です。 時間は約四分です。
1、スタート。
レースでは、スタートの予定の時刻の五分前までに到着し、発艇員の確認と誘導に応じてレーンに入ります。 レーン内でスタートのリハーサルをします。 競漕規則の上では、二分前までに発艇部署につければ良いので、早くつけてから無駄にじっとしておく必要はありません。
スタートの号令は、一レーンから順にクルー名を呼ぶ、ロールコールがあり、アテンションのコールの後、赤旗が掲げられます。 視覚障害者の乗る種目では、赤旗とともに、レッドフラッグのアナウンスがあります。 そして、ゴーの発艇号令が発せられ、同時に赤旗が振り下ろされます。 コンディションが悪い時は、ロールコールを省く、クイックスタートもあります。

スタートでは、キャッチの姿勢にセットし、ブレードを水中に立てて備えます。 ロールコール以前に艇の向きを、風などで流されることも計算に入れて、適切な方向に向けておきます。
ロールコールの間は動かないようにして、アテンションの後の、ゴーと共に強く漕ぎ始めます。 スタートからの数本は、短く速く、強い漕ぎで艇を動かしはじめます。そして最大限に加速し、リズム良くスタートスパートにつなげます。 スタートドライブの本数は、クルーでリズム良くスタートスパートの速度に載せられる本数を設定すれば良いでしょう。 スカルでは三本から四本、エイトでは四本から六本を設定することが多いでしょう。

2、レースのパターン。
レースでは、基本的に一定のペースで漕ぎます。そして最終段階で、全速のスパートをすることが、最高のタイムを得る常道です。 余分なペース変更は、無駄な消耗につながります。
しかし心理的、戦術的には、スタートスパートを付けて先行を狙い、途中でスパートを付けることもあります。 様々な考え方があるので、自分たちのクルーのベストが何か、よく検討して作戦を練りましょう。

3 フィニッシュ、ソウリョウ。
ソウリョウとは、漕ぐ、終了のリョウと書きます。 フィニッシュは、ブザー音で確認しますが、舵手の指示が優先です。 他のクルーへのブザーを誤認しないよう、確実に決勝線を過ぎるまで漕ぎます。
フィニッシュ直後は、すぐに漕ぎ止めずゆっくり漕いで脈拍を下げ、呼吸を整えます。 その後、停止し、他の艇に「ありがとうございました」と挨拶します。 視覚障害者の乗る種目では、白旗が揚がると共に、ホワイトフラッグ」のアナウンスがあり、それでレースが成立します。
他の艇からレーン侵害を受けたり、コースの不備で不利益、損失を受けたりした場合は、ホワイトフラッグのコールより前に、手を挙げて状況を訴えます。 審判の裁定に不服がある場合は、上陸以前に「もよりの審判」に異議を申し立て、上陸後すぐに、代表責任者の文書により異議を提出しなければなりません。 レースは自分たちだけのものではないので、たとえ自身の主張が正しいと確信していても、執拗な抗議やアピールで、参加クルー全体に迷惑をかけてはいけません。

以上で,「レースの展開とマナー」の説明を終わります。