7-02 パワートレーニング

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第七章、第二項、タイトルは「パワーアップのためのトレーニング」です。時間は約四分です。
一、ロウイングに求められる体力要素。
一般的な大会は、直線の千メートルから二千メートルのセパレートコースを競漕するので、直進する基礎的な舵を取る技術と、数分間のパワーの発揮が要求されます。冬には、長い川を数キロメートル漕ぐ、ヘッドレースもあります。基礎的な体力としては、全身の筋肉、主には脚を伸ばす、上体を前かがみから後にスウィングさせる、腕を曲げる、それらの筋肉の強い運動が必要です。単純な反復動作を数分間持続させるための、心肺持久力が要求されます。

二、基礎的な筋力および心肺持久力の強化。
陸上でのトレーニングは、筋力トレーニング、サーキットトレーニングなどで強化していきます。水上でのトレーニングは、初期にはテクニカルなドリルもある程度多く必要です。しかし体力的な強化のためには、強度と持続時間(距離)の多様な組み合わせが必要です。基礎的なメニューとしては、比較的低いレイトで長く漕ぐ、ロングソウが基本となります。ステディーステートとかテイジョウソウとも言います。定める、常、漕ぐと書きます。レースペースかそれ以上のペースでの「リキソウ」を組み合わせてのインターバルソウなどもオコナイマス。トレーニングの成果は、定期的なタイムトライアルや、模擬的なレースで確認します。ロウイングテクニックやリギングの工夫を評価するためには、練習水域に二百五十から五百メートル程度の一定の区間を設けて、いつもそこで正確にタイムやストローク数などを記録しておくと良いです。

三、スプリント能力と持久能力のバランス。
レースは、基本的には一定ペースですが、スタートでは停止しているボートに、速度を与えるために、大きなパワーが必要となります。またレース前半で心理的に有利なポジションにつくために、スタートスパートをつけくわえます。ラストスパートや、途中段階でのスパートもあるので、スプリント能力も要求されます。漕手は、自分の筋肉のタイプ、スプリント型なのか、持久型なのかを理解し、レースで要求される特性に、適合させていきます。ソッキン、スプリントタイプの漕手は、スプリント能力をさらに強化するよりは、どちらかといえば持久能力の強化を重点的に行うべきです。一方で、チキン、持久タイプの漕手は、持久力をさらに高めながら、スプリント能力、またはストローク一本の中の、パワーカーブの改良などを重点的に行うべきです。

四、ドライブとフォワードのリズム。
ロウイングでは、パワーを発揮するドライブを強く大きく、また休息するリカバリーの時間を、短い時間の中でできるだけ休む、その切り替えのリズムがとても大切です。リラックスしたフォワードから、キャッチで即座に、集中し強いパワー発揮に切り替えるところも大切です。

以上で,「パワーアップのためのトレーニング」の説明を終わります。