6-08 インシデントリポート

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第6章,第8項,タイトルは「インシデントリポーティング」です。 時間は約四分です。
1、事故(アクシデント)とインシデント。
事故か事故でないかの境界は、時にあいまいです。いろいろな定義がありえますが、ここでは、ロウイングの事故とは、例えば次のようなケースです。
まず、第三者やコウテキ機関の出動または救助活動が発生したケース。 または、第三者の施設、装備に損害を与えたケース。 または、救急車や関係者の車で急いで医療機関へ送られたような、負傷や発病のケース。 または、乗艇中に自力で漕いで帰れなくなったような、ボートが損傷したケース、などです。
そして、これらよりも軽微なできごと、つまり「事故にはならなかったが危うく事故になるところだった」というできごとを、「ゼン事故ジショウ」とか「インシデント」と呼びます。なお、事故、つまりアクシデントも含めて、大きな意味でインシデントということもあります。

2、インシデントリポート。
インシデントの報告を、インシデントリポートといいます。それは、いわゆる「始末書」や「事故報告」とは異なるものです。何が違うかというと、本質的に、責任を問うとか反省を促すといった、懲罰的な、戒め的なことが目的ではないということです。
インシデントリポートの一番の目的は、出来事のデータを蓄積し分析し、公開して情報共有することで、未来の事故を低減しよう、予防しようということにあります。

3、日本ボート協会のインシデントリポートシステム。
日本ボート協会には、インシデントリポートシステムがあって、事故やインシデントを協会に報告してもらう体制をとっています。協会のホームページの、日本ボート協会、競技者トップ、安全なローイングと進むと、その案内があります。書式をダウンロードして記入し、地域のボート協会の担当者、セーフティーアドバイザに提出することができます。
また、より簡単に気軽に報告してもらうために、電子掲示板も用意しています。誰でも投稿できます。あなたのレポートが、未来のどこかの水域の同様な事故の抑制につながります。 ぜひ活用してほしいと思います。

以上で,「インシデントリポートシステム」の説明を終わります。