6-07 事故発生時の救助活動

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第6章、第7項、タイトルは「事故発生時の救助活動」です。時間は約四分です。
他のボートやクルーに事故が発生したとき、視覚障害があってもすべきこと、重要な役割があります。
1。事故発生時の行動体制について、特に視覚障害者のための補強。
陸上の安全責任者。ジョウテイチュウ、陸上では誰が安全の責任者として残っているか、明確に設定できているかを、常に把握・検証しましょう。全員が乗艇し、誰も陸上に残らない場合も、事故に対する安全対策が充分か、再検証しましょう。イーエーピーや緊急ジの連絡表のユニバーサルデザインについて。イーエーピーとはエマージェンシーアクションプランといって、事故発生時のための行動マニュアルです。緊急連絡表などのことです。イーエーピーは、クラブや水域で用意されているはずですが、視覚障害者も利用できる状態でしょうか? 視覚障害の程度は様々ですが、掲示板のユニバーサルデザイン、つまり、できるだけ大きな文字やコントラストの高い表示にする、点字版を設けるといった観点から検証してみましょう。誰もが楽しめるスポーツの環境を整えるためには、視覚障害者自身が、緊急時にも行動できる可能性を広げる工夫を考え、提案していきましょう。
2。事故発生時の行動の基本、特に視覚障害でもできる大切なこと。
事故発生時、邪魔になるからと、何もしないのは良くありません。 完璧でなくても勇気をふるって「できそうなことを実行しましょう」。 救助活動は、一、遭難の人数や被害の把握、二、遭難者の救助。このとき、艇につかまっている者と行方不明者がいれば、つかまっている者を優先救助します。被害拡大の防止のためです。三、救助要請。百十九番にかけるべきかどうかを判断し実行、四、行方不明者捜索、五、救助した遭難者のケア、の順で、あるいは手分けして展開します。
視覚障害者は、混乱した中で最も冷静に状況把握できる立場です。大切な役割は、「最も冷静にその場の状況を把握し『忘れられていることがないか?』検証し、記憶、記録していく」ことです。
救急への連絡、百十九番では、消防側が適切に質問するので、落ち着いて聞かれたことに答えていきましょう。「電話を切って」と言われるまで切ってはいけません。 重複通報を避けるため、通報したことを周囲に伝えましょう。 当局側で連携しているので、重複して警察に通報する必要は多くの場合、ありません。
3。心肺蘇生法とエーイーディー、自動体外式ジョサイドウキについて。 心肺蘇生法やエーイーディーの一連の手順を理解しておきましょう。溺れた時は、エーイーディーが機能するとは限りませんが、あれば実施します。エーイーディーが自動で判断します。 ここで、エーイーディーは心臓圧迫の代わりではないことに注意しましょう。エーイーディーがあっても、心臓圧迫を中断せずに続けることが重要です。

以上で,「事故発生時の救助活動」の説明を終わります。