ハンドルの持ち方、グリップの形

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項番号4の8。 タイトルは「ハンドルの持ち方、グリップの形」です。 時間は約4分、音声ファイルサイズは約7メガバイトです。

グリップ、つまりハンドルとその持ち方は全てのクルーで重要です。 視覚に障害がある場合、グリップの技術はさらに重要になります。 グリップの基本と、ハンドルの形状の工夫などについて整理しておきます。

1、スカルのグリップ。
スカルでは、親指を下に回さず、ハンドルの端のやや下のあたりにおきます。 その目的は、オールを「軸方向に押さえる」、親指を下にまわして強く握り締めることがないようにする、そして、オーバーラップで上下差を減らす、などのためです。 オールは、ミドルでオーバーラップするために、重なる部分で、(一般に)右手を下にする、前後にずらす(右手を体に近づける)、左手側のワークを少し高くするといったことで調整します。
右手と左手、どちらを上にするかは本来、身体的には個人の感触で自然なほうで良いのです。 しかし一般にクルー編成を視野にいれ、左上に統一されています。 スクウェアターンを手首の回転で操作するとハンドル自体が上下して、フライアップの原因になります。 フォワード終盤からキャッチにかけて、ハンドルの軸を下げないことが重要です。 フィニッシュ〜フェザーも同様で、手首を立てる動作では、ハンドルの下降が一部差し引かれるので、フィニッシュでしっかりハンドル自体を下降させることが重要です。

2、スイープオールのグリップ。
アウトサイドハンドは、グリップエンドを持ちます。 小指は端に必ずかけ、外さないようにします。 インサイドハンドは、ファイナルでインサイドの脇腹より少しアウトサイドハンド寄りに来るように持ちます。 グリップ間隔(両手の持ち幅)は、握りこぶしふたつからふたつ半程度です。 肩幅につりあうグリップの位置とします。 インサイドハンドをそれより端に寄せると、ファイナルで窮屈になります。 また間隔が広すぎると、インサイドハンドがあまり力を発揮できなくなります。 ハンドルは、硬く握りしめません。 強く握りしめると、力の浪費し、血流を妨げます。 インサイドハンドはフェザーとスクウェアの動作を行うため、やわらかい手首の動きが必要で、握りしめるのを避けます。 アウトサイドハンドは、フィニッシュでは小指側の握りをゆるめ、親指と人差指あたりで持っているだけにします。 こうしないと、(かなり手首が柔らかくない限り)ファイナルで窮屈になります。 フェザーとスクウェアのターンの動作は、インサイドハンドでします。 アウトサイドハンドは手の中でハンドルを回します。

3、グリップの形状の工夫。
ハンドル(グリップ)は一般に円断面形状で、持っただけではブレードの向きがわかりません。 円形であることに必然性はなく、特に視覚障害のある漕手では、グリップの形状を、「持っただけでどの向きになっているかわかるように」すべきです。 一般に、スクウェア状態で上端をやや扁平にした楕円形状が好ましいといえます。

以上で,「ハンドルの持ち方」の説明を終わります。