リズムとレイト

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項番号4の7。 タイトルは「リズムとレイト」です。 時間は約4分です。

1、リズム。
ロウイングでのリズムとは、「フォワード時間とストローク時間の比」のことです。 そのリズムは1対1ではなく、できるだ けリラックスした充分なフォワード時間と、強い水中によりドライブ時間の短縮といったイメージになります。
2、呼吸のパターン。
ロウイング中の呼吸方法にはふたつのポイントがあります。 まずロウイングの動作とリズムにあわせること。 そして換気の効 率を上げることです。 リズムをあわせるとは、当然ストロークレイトで決められます。 一方で換気の効率を上げるには、呼 吸を浅く速く繰り返すよりも、「深く大きく繰り返すほうが良い」という一般則があります。 ここで、レイトの高さと、呼吸の深さは両立できないので、どこかに妥協点を探さなくてはなりません。
身体機構上からは、フォワードで息を吸い、ドライブで吐くパターンが基本となります。 これはちょうどウェイトトレーニング で、きょじょう動作で息を吐くという基本と一致します。 そのリズムは、低強度の漕ぎであれば実現できますが、高強度では問題が生じます。 一般には高強度の速くなった呼吸を、遅いロウイングレイトに合わせるのが難しい状況になるでしょう。 そこで、フォワード中に吸って、吐いて、もう一度吸い、ドライブ中に大きく吐くパターンなどをつかったりします。 実際には個人差も大きいので、あまり気にしないでよいでしょう。
3、レイト。
レイトとは、1分間あたりのストローク数のことです。 日本では「ピッチ」とも言ってきました。 艇速を直接正確に把握す るかわりに、レイトを重要なあたいとしてさまざまに利用します。 コンスタントの標準的なレイトは、艇速の速い、つまり負荷の軽い艇ほど高い傾向にあり、エイトで高くスカルで低いといえます。 ただしレイトを気にしすぎて、「艇速」そのものを見失ってはいけません。 レイトが高くても艇速が出ていないということもよくあります。 もうひとつの大切な指標として、ディーピーエスがあります。 ディスタンス・パー・ストロークのイニシャルで、一サイクルあたりの進行距離のことです。
最高艇速やコンスタント漕での最適レイトは、次のようにして見つけることができます。 まず低いレイトから徐々にドライブ を強くしていき、それにより自然にレイトを上げていきます。 レイトを上げるにつれて艇速も速くなるはずです。 ここで「 実験的に」艇速の限界感があってもなおレイトを上げるように努力します。 その場合レイトは上がるが艇速は上がらないか、 むしろ低下してくる感触になるはずです。 このようなテストは短時間で行います。 長すぎると、疲労による艇速の低下も関係してきます。 十五〜二十五ストロークで実験を完了するようにしましょう。 こういった実験で、艇速が伸び悩むレイトの、 約1ストローク下のレイトが、ほぼ最高速の最適レイトということになります。 レースチャレンジで考える場合は、その距離 やコースコンディションによって若干異なりますが、最適レイトからすうストローク落としたあたりを,コンスタントレイトに設定することになるでしょう。 特に最初のうちは、レイトを上げすぎて、小さな漕ぎになってしまうことを避けましょう。 一本一本、大きく漕ぐことが大切です。
以上で、「リズムとレイト」の説明を終わります。