ブレードピッチの最適化

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項番号3の9、タイトルは「ブレードピッチの最適化」です。 時間は約4分、ファイルサイズは約8メガバイトです。

1、 基本手順。
ブレードピッチとは、ブレード面の傾き具合のことで、ブレードの深さに大きく影響する重要な要素です。 基礎を正しく理解した上で、実際に、技術、ワーク高、ブレードピッチの、どれがどのように効いているかを分析しなくてはなりません。 視力障害がある場合、ブレードで起きている現象の観察に制約があります。 しかし、ブレードとオールロックで起きている現象をハンドルの動きと感触から読み取りましょう。 また船体の挙動をシートとストレッチャーから、読みとりましょう。 最初は、サポーターの観察・レポートを頼りに、起きている現象と、手と体で感じる状況とを結びつける作業です。 どのような感触がうまく漕げていることなのかを理解し、その感触を実現する方向にテクニックやリギングを調整していきます。 ここでは主にピッチを調整していくことです。 試し漕ぎと調整を繰り返す、地道な作業になります。 どこまでできるか未知数ですが、新しいノウハウを開拓しましょう。
ブレードピッチの最適化のための観察のポイントは、テクニック、ハイト、シャフトの水面に対する角度、左右のバランスの変化などに注意しながら、数本のストロークの観察で、ドライブ中の、ブレードの押しと深さの変動を抽出することです。
2、 ブレードピッチの基本。
ブレードピッチの基本的な設定は、以下のようなものです。
マコンブレードやビッグブレードでは、ブレードピッチの初期設定を5度とします。 スムーシーの推奨値は2から3度ですが、5度でも良いと考えています。 また一般にキャッチ側で少し大きくしますが、全体の変動幅を大きくしないことが大切です。 ラフコンディションでは、不安定な切りこみのリスクを減らすため、プラス1度程度の増加も許容できますが、基本的には変えず、ハイトを少し上げることで対応します。
初心者でピッチを大きくするのは、あまり推奨できません。 一時的な適用は別として、過度に大きい状態で長い間漕ぐべきではありません。 リガーの剛性が足りない場合に、特にキャッチ側で少し増やすことは妥当です。 キャッチ、ミドル、フィニッシュの三つの位置で測定する方法は、中間での不適切な変動を見逃す恐れがあります。 中間の変動を正しく理解しておきましょう。

3、 ブレードの浮き沈みをうまく調整できない原因。
うまくピッチを設定できないときの原因には、以下のようなことが考えられます。 リギングではなくテクニックの問題を、リギングで直そうとして、悪循環に陥っている。
ワーク高の問題を、ピッチで解決しようとしている。
他の漕手のリギングに原因があるのに、症状が現れた漕手のポジションのリギングを調整しようとしている。
ファイナルで水に押されて抜けにくいのに、ピッチを増やそうとしている。
艇の傾きによる、特にファイナル側で、傾いたサイドのピッチの減少が生じている。
オールロックとスリーブの不適合。 形状の問題、変形、ワーク高が低いなどで、オールロックの中で、ドライブ状態でオールロックにスリーブが正しく圧接されない。
ブレードやシャフトのねじれ。
不正確な角度計や計測方法による、計測の誤り。

以上で、「ブレードピッチの最適化」の説明を終わります。