ハンドルの高さの最適化

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項番号3の七。 タイトルは「ハンドルの高さの最適化」です。 時間は約4分、ファイルサイズは約7メガバイトです。
1、 考え方。
艇の左右のバランスも関係しますが、もしバランスがとれ、ブレードの深さを一定とすれば、ハンドルの高さはオールロックの高さに依存します。 またハンドルが良い高さにあるとすれば、ブレードの深さは、オールロックの高さに依存します。 「最適のハンドル高さと最適のブレード深さの直線上に、オールロックの高さを決める」と考えるとわかりやすいでしょう。 ここで、ハンドルやオールロックの高さは、シートからの高さだけでなく、水面からの高さが重要です。

2、 最適なハンドルの高さとは。
最適なハンドルの高さは、肩の周辺の骨格と筋肉の機構、心臓の高さ、腕の重さや血流、オールの重量や重心位置などが関係します。 もし腕の重さや筋肉の配置を考えないのであれば、肩と同じ高さで引くのがいちばん、効率が良いはずです。 しかし実際には、それより少し低く、胸とお腹の境目あたりで,「水平に」引くイメージが適しています。 時にはそれよりやや高いイメージでも良いでしょう。(ただしこれはドライブ中の話で、フィニッシュ直前の下降動作の終着点のことではありません。)

3、 ワーク高調整の基本。
ワーク高が高すぎると、ハンドルが高くて力が出しにくい、ブレードが浅く水をつかみにくい、フィニッシュが早く浮くといった問題が生じます。 逆にワーク高が低すぎても、ハンドルが低く力が出しにくい、ハンザウェイでハンドルと膝のあいだが狭く窮屈、などの問題が生じます。 体格が大きく座高というより肩の位置が高い場合は、ハンドルの引く位置も高いため、ワーク高も高くします。 またラフウォーターでは、フォワードで高い波に接触しないように、若干高くすることもあります。 一般的なワーク高は、スイープでは十四から十八センチメートル程度でしょう。 またスカルでは、十四から十七センチメートルで、左右の差が1点5センチメートル以内といったところでしょう。

4、 シャフトと水面のなす角度。
オールのシャフトと水面のなす角度についての重要性は、何度もでてきますが、前に述べたシートからのワーク高の設定以上に重要です。 大きすぎると、水平な運動機構から離れ、全体的に風の抵抗も増え、効率が悪くなります。 しかし一般には、小さすぎて、わずかなバランスの崩れでキャッチ、フィニッシュが難しい、フォワードが窮屈で水に接触しやすい、シャフトが水没し抵抗が増えている、といったまずい状態になっているのに気づいていない、というケースを多く見かけます。 漕ぎやすさに大きく影響するポイントなので、よく注意したいところです。 ドライブ中のシャフトの傾斜角と、水面からのワーク高の目安としては、スカルでは、シャフトの角度が約十度前後で、水面からのワーク高が約十九から二十五センチメートル、スイープでは、シャフトの角度が八度゜前後で、水面からのワーク高が、約二十一から二十六センチメートル程度といったところでしょう。

以上で、「ハンドル高さの最適化」を終わります。