リギングとは何か

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項番号3の1、 タイトルは、「リギングとは何か」です。 時間は約5分、ファイルサイズは約8メガバイトです。 二千十四年二月十一日に更新しました。

この章では、ボートの各部の調整、つまり「リギング」アール・アイ・ジー・ジー・アイ・エヌ・ジー、について説明します。 リギングとは、艇やオールの各部分を、漕手や水面の状況などに対応して最適な状態に調整することです。 
視覚に障害がある場合、リギングの実際の計測や調整には、サポートが必要かもしれません。 しかし、ある部分は、視覚に障害があっても自分で出来る方策をさぐりたいと考えています。 基本的なリギングを記述しながら、改訂を重ねて、自力でのリギングの可能性を開拓していきます。 まず、主なリギングの要素と使用する計測器具について解説します。 実際には、ボートと計測器具に触れながら、だいたいのところを理解していきましょう。

1。 リギングの要素。
リギングには、以下のような要素があります。 ここでは、それぞれの要素の定義だけ、なんとなく理解すれば良いでしょう。
ワークだか。ワークとは、機能する部品といった意味で、ここではオールロックのことだと考えればよいでしょう。 「だか」は高いという漢字を書きます。ワークだかは、ワークハイトとか単にハイトといったりします。 オールロックの高さは、ブレードの深さやハンドルを引く高さに影響します。
次に、スプレッドとスパン。 スプレッドは艇の中心からオールロックまでの水平距離のことです。 スパンとは、スカルの両側のオールロックの、水平距離です。 ハンドルの左右位置やインボードとも関係します。
次に、ワークスルー。 オールロックの前後位置のことですが、ふつうは相対的に、オールロックに対するレールやストレッチャーの前後位置として測ります。 オールの移動角度、力の推進効率、キャッチ・フィニッシュの容易さ、ハンドルの左右変動などに関係します。
次に、ブレードピッチについて。 ブレードカバー角ともいいます。 ブレードと鉛直面とのなす角度で、ブレードの浮き沈みに関係します。 効率的なロウイングにとってとても重要で、沈むブレードはブレーキとなり、逆に、浮くブレードは水中に充分固定できません。
次に、ストレッチャーの傾斜や高さ。 ストレッチャーの高さはヒールデプスなどとも言います。 ストレッチャーボードの傾斜角や、ストレッチャーシューズの上下位置は、体のゼンケイ姿勢の形成や、脚力の発揮の最適化、に関係します。
次にオールのインボード、てこ比。 ロードレシオ、ギア比とも言います。 テコとして働くオールのテコ比のことで、オールの全長やカラーの位置を変えることで調整します。 最適な出力状態を達成するために重要です。 テコ比を調整するとき、インボードと呼ばれる、カラーからハンドル端までの長さも変化し、これは、ハンドルの左右の移動幅にも関係します。

2。 計測器具。
リギングには、たくさんの計測器具をつかいますが、角度計、水準器、メジャーについてはすでに、項番号2の1で解説しましたので、ここでは「ハイトゲージ」だけ説明しておきます。 そのもっとも典型的なのは、エルゲージと呼ばれるもので、約1m程度の長い水平の角材の一端に、短い鉛直の物差しをつけたエル字の形の計測器具です。 主にワーク高を測定するもので、ガンネルの上に置き、シートからの高さをメジャーで測り、またオールロックのオールを置く部分までの高さを測ります。 他にもいろいろな形状、構造のものがあります。

以上で、「リギングの概説」を終わります。