安全なトレーニングのために

トップページに戻る

項番号1の8。  タイトルは「安全なトレーニングのために」。 約五分。 二千十四年一月十八日版です。

1。 艇庫は危険がいっぱい?。
ロウイングは,障害者スポーツとしての歴史が浅いため、艇庫、ボート、水域は、バリアフリーどころか、視覚障害者にとってみれば、危険、無配慮、不親切がいっぱいかもしれません。 しかしそれは、悪意ではなく、無知からくる無配慮、無神経です。 できるだけ工夫して、誰でも安全に快適に楽しみ、競技できるスポーツ空間をつくっていきましょう。 遠慮なく、助言・要望を出していってください。  リスクの高い2つのことについて説明します。
まず。艇庫内でのリガーによるケガについて。
艇庫の中では、ボートからリガーが突き出ているため、足元に障害ブツがなくても、顔の高さにリガーが突き出ていて、顔にあたることがあります。 健常者でも時にぶつかって危ないことがあります。 リガーにカバーをつけるといった、万一の衝突時のケアも大いに賛成ですが、リガーの存在につねに注意しましょう。
次に,桟橋での転落について。
桟橋では多くの場合、手すりなどの安全措置がなく、いきなり水面に面しています。 また、階段式の岸辺では、非常にすべりやすくなっている場合があります。 転倒、躓き、転落などのリスクに充分注意しましょう。 水域・施設によって状況が異なるので、初めての水域では特に注意する必要があります。 初めての水域では、どこに危険があるか、サポーターとともに確認しておきましょう。
2。泳げることの必要について。
安全確保のためには、泳げることが大きな安心材料になります。 しかし泳ぎが苦手でも、適切な救命具を装備して、ボートを漕ぐことができます。 救命具には、簡単なウキワから、ライフジャケット、自動膨張式のポーチタイプなどがあります。 視覚障害者のためには、できるだけ自動膨張式のものが望まれます。 救命具は、ピーエフディーと呼ばれることがあります。これは、パーソナル・フロート・ディバイスの略です。
3。 一般的注意事項。
乗艇中の遭難のリスク以外の、一般的なトレーニング中の事故、ロウイングのスポーツ障害としては、以下の点に注意すべきです。なかでも,腰痛については注意が必要です。座った状態での脚の屈伸および上体の前かがみ・うしろ反りの反復は、不適切な動作や過度な負荷と練習量で、腰痛を起こしてしまうリスクがあります。 一過性の疲労であれば、休んで回復できますが、不適切な状態を継続すると、慢性的な腰痛障害を発生させるリスクもあります。 適切なコーチの指導のモトで、適切な動作、トレーニングの質と量を設定する必要があります。 予防的に注意すべきポイントとしては、次のようなことがあります。
ボディ・スウィングのスイッチ動作を避ける。 つまり、レグドライブのほぼ終了と同時にボディ・スウィングを強力に動員する「切替え」は、腰に非常に大きな負荷をかけます。 ボディ・スウィングは,スライドにオーバーラップさせ、緩やかに動員すべきです。
次に,尻逃げをしないことが重要です。
次に,成長期のジュニア選手や初心者では、専門性の高いメニューだけに集中せず、成長に合わせてトレーニングをしていくこと,体全体の基礎体力をつくることが大前提です。
次に,エルゴメータでは、乗艇以上に、ロウイングフォームの問題に注意しましょう。
次に,ウェイトトレーニングでは基本的な動作の注意を守り、正しいフォームで行いましょう。 ウェイトを持つときには常に、膝を曲げ、上体を起こして持ちましょう。
以上で、「安全なトレーニング」の説明を終わります。