揚力,リフト(lift)

EncycROWpedia OZAWA ROWING
物体表面を流体(空気や水)が流れるとき,流線型の表面に沿って流れの方向が変化することで,その物体に生じるその物体を引き付ける力. 飛行機の翼がその典型で,上向きの力が発生する. また蛇口からの水にスプーンを当てることでも確かめられる.
ロウイングでも揚力は関係する.(1)ブレードが水を押す際に,円弧運動をすることで艇からブレードが離れる,接近する運動要素で,ブレードに揚力が発生する.(ミドルのところでは働かない). (2)艇を横から見たときの推進方向への翼形状で,下向きの揚力が働くが,その揚力は艇速変動やピッチングにも関係して変動する.フォワードで艇速が上がる時に増大する.. (3)フェザー状態のブレードがフォワード中に水面に接触すると,吸い付いたようになって離れないことがある.これも揚力による. 特に「横キャンバー」の強いブレードで顕著だが,現代的な横キャンバーの弱い(フラットな)ブレードでは感じられない. (5)ラダーまわりの挙動の関係. フィンラダーなどでは,高速走行では,わずかな舵角を当てるだけで,揚力が発生して艇をステアリングできる. また平板的なラダーよりも翼断面をしたラダーでは,流れの剥がれが起こりにくい利点もあると期待される.(Ozawa, OBC, 2018-3-20)
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