救命具(きゅうめいぐ) PFD, Life Jacket, etc.

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定義: 艇が沈(転覆,浸水)したり,漕手が落水したときのための,非常用の浮力体.きわめて単純な浮き輪,自動膨張式の浮き輪,自動膨張式のベストなどいくつかの種類がある.不意の事故に対処する目的では,体に常時装着するベスト型が好ましい.

議論: 艇自体が一般に有効な浮力体となり,「沈の際は艇から離れるな」という原則があり,また沈をした場合に(常時装着する自動膨張式のものを除き)救命具を膨らませることの困難性や有用性に対する議論もある.しかし救命具は,第三者を救助する用具としての可能性も大きく,やはり常に携帯し,安全対策の一つに加えるべきだ.

使用上の注意: 定期的な点検を実施し,また搭載の場合に流失防止策(クリップやテープなどで艇に仮止めし,転覆しても流失させない措置)を講じること.救命具は,安全のための選択肢の一つに過ぎない.これで万全というものではなく,実際の非常時にどう対処するかはケースに応じて最善の方法をその都度見出さなければならない.

規則・規格・経緯: ろ櫂舟に分類される競漕艇では法的な着用義務は無いが,国内の競漕規則では,1985年の遭難事故を契機に1986年に練習時・競漕会での常時搭載が義務化された. しかし2009年には,競漕規則の国際規則との共通化の流れの中で,救命具の搭載は,各水域ごとの安全規則や大会ごとの要項に委ねられ,競漕規則からは削除された.[2018-7-28]


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