100mルール(ひゃくめーたールール)(Personal Flotation Devices)

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通称,100mルールは,スタートから100m以内の艇の故障を救済するルールだったが,2013年に削除されたものである.
日本ボート協会の競漕規則,第45条(旧第47条)では,競漕中の損傷に対する処置が規定されている.「競漕に参加したクルーは,競漕中に受けた損傷を理由に競漕の延期,又は無効を主張することはできない.」とある.しかし従来,本条には,100m以内の艇の故障;シートが壊れた,オールが折れたなどに対し,レースを止め,再レースの余地のある条文だった.
特に2005年改定では,「… ただし,発艇区域内(発艇線より100m以内)で,クルーが艇または装備に故障が生じたことを表明したら,発艇員または主審はレースを止めなければならない.発艇区域内で起こった損傷については,主審が決定する.」とあり,明確な救済措置が記されていた.
もっとも,クルーのミス(シートからお尻を落としてしまったetc)の場合は,除外のこともあった.あくまで,不可抗力的な故障に対する救済措置だった.
しかし,2013年の改訂で,大きく方向性が変わった.冒頭で述べた通り,「100mルールはなくなってしまった!」
艇の損傷は,実際,不慮・不可抗力なのか,漕手の操作のミスなのか,区別しがたいこともあったのだろうが,どちらかといえば,クルー優先というよりは,レース運営優先の観点から,という印象もある.
いずれにしても,100mルールはすでに無くなってしまったことも含め,艇・オールは万全に準備しておかなければならない.(100mルールがあったとしても,甘えるべきことではない.(2018-8-13)
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